(保育の就活)失敗しない保育園選びをする為に園見学時に注意すべきポイントは?

保育

保育の就活を進めていく中で、最終的に「この園で働きたい!」と心に決めることができる最も重要な要素は何だと思いますか?

私は過去2年半の間で保育園の採用担当者として延べ2,000名以上の学生と面接を経験しました。

最終的にご縁があって入社してくれた学生には「当園に入社することを決めてくれた一番のポイントは何?」と必ず一通りヒアリングしていますが、ほとんどの学生が「園見学の時の雰囲気が一番良かったからです!」と回答します。

求人票や保育園のホームページを確認ことはもちろん大切ですが、実際自身の足で園に訪問した上で志望先の園の環境を直接肌で感じることができる園見学は、学生の皆さんが就活を成功させるために最も重要なプロセスであると言えます。
一方で、園見学そのものに慣れていない学生の皆さんにとって、園見学時に何をポイントに確認していけばいいのか?ということに不安を感じている部分もあるのでしょうか?

今回は、自分に有った園選びをする為の園見学時の確認ポイントについて内容を整理しました。
これから園見学を控えている学生の皆さんも多いと思いますので、是非ご一読の上で就活のお役に立つことができれば幸いです。

1. 複数の園を見学するのがおススメ

■単願応募が圧倒的に多い保育の就活実態

保育学生の就活に関してもっとも特徴的なことは、「単願応募することがほとんど」という実態です。
下記の調査結果を見て分かる通り、新卒保育士の約75%が就職活動時「複数の園に同時に応募していない」と回答しています。

<就職活動の時、複数の園に同時に応募をしましたか?>

保育士 新卒求人応募 単願応募25.2% 併願応募74.8%

引用:保育学生の就職活動に関して緊急アンケート!特徴は「単願応募」

ジャンルは違えど、一般企業に就職する新卒学生がエントリーする企業数の平均=約27社と比較すると明らかに少ないですね。

■比較検討をしない=後悔を生みやすい

就活をどう進めるのか?ということに関しては学生の皆さん一人ひとりの価値観次第です。
私がこちらで言及している内容はあくまで私見なので、単願応募を否定する主旨ではありません。
現に、単願応募で自身も保育園も相思相愛~入社後も保育士として楽しく働いています!という学生の方も沢山いらっしゃるでしょう。

そのような時に思い出していただきたいことはお買い物時のエピソードでよく使われる「衝動買い」というキーワードです。衝動買いとは、よく考えもせず、その場の欲しいという気持ちだけで買ってしまうことという意味合いですが、誰しもが経験したことがあるのではないでしょうか?
そして衝動買いにつきものなのが、後で買ったことを後悔する自分が居ることです。

就活は一生に一回のライフイベントですので、お買い物と違って「まあしょうがいか・・」とあきらめる訳には行けませんよね。
最終的に志望先単願するにしても、少なくとも園見学に関しては複数の園を見学し、保育の特徴や労働環境面などを比較検討した上で総合的に判断し、最終的に志望する園を絞っていくことをおススメします。

それでは、実際の園見学時に確認するべきポイントについて整理をしていきましょう。

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2. 園見学時のポイント ~労働環境~

当たり前の話ですが、保育園に就職後皆さんは毎日園に出勤することになります。
どのような労働環境で就業することになるのか?をポイント毎に事前に押さえておきましょう。

重要なことは、各ポイントが自分にとって合う/合わないの判断は一人ひとりによって違うということです。
項目ごとに各園の特徴を整理し、自分にとって理想の職場探しの参考にしてください。

 

■ITツールの導入・普及率について

  • 職員のタイムカード/連絡帳/園便り/写真販売/登園・退園管理などにITツールをどのくらい導入しているか?

ITツールを積極的に導入し、業務効率化を図っている保育園であれば通常の保育業務以外の事務作業の時短などが期待できます。

「連絡帳や園便りは手書きの方が温かみが伝わる」など、保育園側の想いがあって敢えてITツールを導入していないことに共感できる場合や、皆さん自身がPC操作やITツールが苦手などの際はアナログ作業が多い園の方が適性があるかも知れません。

 

■お便りの担当回数と内容について

  • 園便り、クラス便りを自身が年間何回くらい作成を担当することになるか?
  • 園便り、クラス便りの内容から、作成にどのくらいの時間が掛かりそうか?

保護者側から考えると、日ごろ自分たちの子どもがどのように園で過ごしているか?を確認できる園便り/クラス便りはとても有難いものですが、保育士側から考えると作成は非常に労力と時間を要します。
残念ながらお便りの作成に関して自宅に持ち帰ってプライベートの時間を削って作業することになる保育士さんも一定数居るのが実情です。

保育園によっては、クラス便りは作成せず園便りで全クラス分の情報を記載し保護者に配布するようにして、保育士一人当たりのお便りの作成担当回数を少なくするなどの工夫をしたり、お便り系は全て園長や主任先生が担当しているので一般保育士は作成しないような体制の園もあります。
園見学時にお便りはどのような種類があって保育士一人当たり年間何回くらい担当することになるか?を確認してみてください。

 

■壁面装飾について

  • 壁面装飾の凝り方と取り換え頻度はどうなっているか?

園見学時には各クラスを一通り順々に見せてくれますので、壁面装飾についてどのような内容のものが設置してあるか必ずチェックしましょう。
もし、作成に時間が掛かりそうなハイクオリティの壁面装飾が設置してある場合は、皆さんが働くことになった際も同等のものを作成することを求められるはずです。

前述のお便りと同様、壁面装飾に関しても子どもたちが帰った後に居残りで作業したり、自宅に持ち帰って作業したりという働き方になりやすい傾向がありますので、取り換えの頻度についても必ず確認しましょう。

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3. 園見学時のポイント ~保育観~

保育園側も働く保育士側も、保育を行う上で「自分たちが何を大切にするか=保育観」を持っていますよね。
保育観にギャップがある状況で就業することになると、お互いに意見の食い違いや軋轢を生みだすことにつながりかねませんので、事前に必ず押さえておくべきポイントです。

 

■保育理念、保育方針を必ず説明してもらう

  • 保育園の保育理念や保育方針は自分が目指している保育観と合致しているか?

どの保育園にも必ず保育理念・保育方針が存在しています。
ホームページに記載していることがほとんどですが、文章を読むだけで理解できるのかと言うとなかなか難しいですよね?
従って、園見学時に対応してくれる担当者の方に必ず「御園の保育理念・保育方針についてホームページで事前に確認致しましたが、是非一度口頭でも詳細をお聞かせいただきたい」旨をお伝えし、説明していただくようにしましょう。

その園の保育が設定保育の色が強いのか、子どもたち主体の保育なのか、教育的要素が色濃いのか、のびのびとした遊び中心の保育なのか、など様々な要素がありますので、一通り話を聞いた上で自分のやってみたい保育とマッチしているのかどうかを判断しましょう。

 

■子どもたちとのコミュニケーションの仕方を確認する

  • 職員の子どもたちに対するコミュニケーションの仕方に違和感はないか?

保育士が子どもたちに対して日常的にどのように接しているか?を確認することも大切です。

泣いている子どもに対しての対応/声を掛けるときしゃがんで目線を合わせているか?/声を掛けている内容が強制的・高圧的・感情的になっていないか?/子どもたちにしっかり向き合って話を聞いてあげることができているか? など、園見学時に出来るだけ子どもと保育士のコミュニケーションの仕方を確認してみてください。

 

■行事の回数と内容

  • 保育園の年間の行事の回数と中身について、力の入れ具合は?

保育士・子どもたち双方にとって、日常の保育以外でウェイトが高いものが「行事」です。
例えば、マーチングや和太鼓などに伝統的に力を入れている保育園があったとします。
保護者向けの発表会の数週間前から、保育士は日中子どもたちを園庭やホールに集め、一定以上のクオリティで演奏が出来るように一生懸命に練習をさせます。
発表会の直前ともなると園長、保育士共にピリピリした雰囲気となり子どもたちにもその緊張感は伝わってしまいます。

例えば、生活発表会の際に劇を毎年披露する保育園があったとします。
上記のマーチング・和太鼓と同様、子どもたちに台詞を覚えさせたりリハーサルをしたり、日中に相当な時間を取られるのと併せて、子どもたちの衣装や劇中のセットの製作はほとんどが手作りです。
日中の保育の時間にはなかなか製作業務ができませんので、必然的に子どもたちが帰ってからの夜間、休園日の日祝、自宅に持ち帰って作業など、プライベートの時間を削って取り掛かる必要がある場合も多いです。

「子どもたちの為なら保育士が自分の時間を犠牲にするのは当たり前です!」という価値観の方で有れば問題ないかも知れませんが、上記のような業務が全てサービス残業で行われている園も有ったりしますので、しっかりと事前に確認しておきましょう。

4. 園見学時のポイント ~一緒に働く人たち~

最後のポイントは「一緒に働く人たち」です。
平成30年に東京都福祉保健局が調査した「東京都保育士実態調査」によれば、保育士を辞めた理由の第一位は「職場の人間関係」という回答となっています。

保育士を辞めた理由
引用:平成30年度東京都保育士実態調査結果(報告書)

いかに労働環境、保育観が合致した保育園に出会うことが出来たとしても、一緒に働く保育士同士の人間関係が上手く行かなければ、皆さんはその園で長く安心して就業していくことは難しいでしょう。

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■職場の人間関係を確認するポイント

・園見学の際に自分に対して挨拶をしてくれるか?

保育園の職員にとって園見学に訪れた学生はお客様です。
「おはようございます!」「こんにちは!」と快く見学を受け入れてくれるかどうか、確認しましょう

・保育士が笑顔で仕事できているか?

学生の皆さんは自分が保育士として充実した状態で働いている姿をイメージしてみてください。
想像上の自分の表情はどうですか?
しかめっ面だったり無表情ではないですよね。必ず笑顔で働いているはずです。
逆に言うと、園見学時に保育士が笑顔で仕事できていない環境は何を意味するか理解できると思います。

・保育室内の職員の配置数に余裕があるか?

人手不足の保育園だと、日々の業務に追われてしまい職員も精神的な余裕を保つことができなくなってしまいます。余裕がなくなればその分人間関係もギスギスしてしまいがちです。
職員が小走りで廊下を移動している、幼児クラスは一人担任、正社員よりパート社員の人数の方が多いなど、配置人数が少なそうな施設は避けた方が良いかもしれません

・採用担当者と現場の職員に会話があるか?

園見学を受け入れてくれるのは採用担当者である場合が多いです。
訪問先の保育園の園長・主任が採用を担当していたり、当社のように複数の園を運営している場合は本部に採用専門の部署があったりします。
確認していただきたいのは、現場の職員と採用担当者の会話の内容です。
お互いのことを理解し、尊重し、関係性が構築できている印象を持てるのか、または他人行儀でお互いのことをほとんど知らない感じなのか
前者の場合は人間関係でトラブルがあった際は相談に乗ってくれやすいですが、後者の場合は誰にも相談できず一人で悩みを抱え込んで消耗してしまうことに繋がりかねません。

以上のようなポイントで皆さん自身が一緒に働くことになる人たちを確認してみましょう。
実は、目先の給与や福利厚生など目に見える条件面よりも大切な事項なのかもしれません。

5. まとめ

今回は、新卒保育学生の就活の成功を左右する「園見学時に確認するべきポイント」について整理してみました。
学生の皆さんが自分に合った理想の園選びをする上で、求人票の内容確認やキャリアセンターの先生のアドバイスなどを基に進めていらっしゃるかと思いますが、最終的な志望先を絞り込んでいく上で最も重要な情報を入手できるのが「園見学」だと思います。

ただ園を見学に行くだけでなく、事前にチェックすべきポイントを整理し質問内容も準備した上で園に訪問することで、入職後に「こんなはずじゃなかった・・・」と後悔することなく、就活を成功させることに繋がります。

「労働環境」「保育観」「一緒に働く人たち」の3つの観点からできるだけ複数の保育園に園見学に訪問し、ポイント毎に整理をし比較検討した上で最終的な志望先を決定することをおススメします。

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